英語の勉強をある程度して、リスニング能力も上がってくると
「海外の映画のセリフを聞き取りたい!」
と思う時がきますが、実際ほとんどの場合、聞き取ることができません。
実際、僕は外国人との会話はほとんどできますが、映画の英語はほとんど聞き取ることができません。
それでも昔よりは聞き取れるようになってきた経験などを踏まえて紹介していきます。
リエゾンを意識しないと聞き取れない
これは映画に限らず英語のリスニング全般なんですが「リエゾン」を意識しないと英語のリスニングはできません。
「リエゾン」という言葉を初めて聞いた人のために説明しますが、「リエゾン」とは「音と音が繋がり、変化する」ことです。
単体の単語での発音と、複数の単語が連なった時の音が変化することを言います。
代表的な例を出すと、
「Did you〜?」は「ディドゥ ユー?」と発音するように思います。
学校でもそう習います。
しかし実際の発音は「ディジュー?」となります。
このカタカナの読み方読むと、相手に通じます。
「Good afternoon」「グッドアフタヌーン」な気がします。
それでも通じます。
実際にネイティブは「グダフタヌーン」と発音します。
こちらも、カタカナの発音のままでよいです。
これは、ただ「英語を話すスピードが早い」というレベルのものではなく、純粋に「音が変化している」のです。
音の変化するパターン「リエゾン」のことを知らずにリスニングレベルをあげようとするのはほぼ不可能で、リスニングについて学ぶ時はまずリエゾンについて学ぶのがおすすめです。
リエゾンは「音の変化」全般を差す言葉なので、それは大別すると以下のようになります。
▶︎リンキング(音と音が繋がる)(上で説明したパターン)
▶︎リダクション(弱い音が消える)(I can't→アイキャン など)
▶︎フラッピング(t系の音がl系の音に変化)(butter→バラー など)
このように、決まった法則が何種類かあり、音の変化のパターンも限られているので、一度勉強してしまえばリスニングがかなりラクになります。
ネイティブはリエゾンを日常的に使う(というかそれが普通)なので、映画内でのセリフを聞き取るのにもリエゾンに慣れるのは必要になります。
「なんでそんなめんどくさく音が変化するんだ!」と思うかもしれませんが、実は日本語でもリエゾンは起こっています。
「おはようございます。」→「おはよざっす」
「こんにちは」→「んんちわ」
「お願いします」→「おねしゃっす」
のような感じでしょうか。
人類が言語を使う上で、よく使う言葉の音が省略されていくのは自然なことなので、受け入れるしかありません。
スラングが多い
海外の映画のセリフを聞き取ることができない大きな理由のひとつが、こちらです。
「スラング」は「ネットスラング」という言葉もあるように、ある界隈、階級、社会のみで通じる言葉のことを指します。
(ネットスラングは、ネット上でのみ使われる言葉)。
翻訳されて字幕のついている映画は、翻訳者がスラングもちゃんとわかりやすい日本語に翻訳してくれていますが、英語をそのまま聞くとそうはいきません。
スラングは、どんなに英語の音を聞き取れても意味を知らないと1000回聞き直しても聞き取れません。
先に書いた「リエゾン」は音の話でしたが、
「スラング」は意味の話です。
例えば以下のようなスラングがあります。
・bucks(ドル、お金、の意味)
・flick(映画の意味)
・abs(腹筋、abdominal muscles)
などは、映画の中で普通に出てきても全く聞き取れないし、意味もわかりません。
ここで紹介したのは全て名詞ですが、動詞や挨拶など、どんな言葉にもスラングがあります。
スラングは、リエゾンと同じく、人間が言語を話す限り無限に生まれていくものなので、否定することはできません。
日本語でも
「卍(まんじ)」や「的な」「〜説」など、数年前には存在しなかった(そして外国人からは理解できない)言葉が日々生まれています。
映画の英語が聞き取りにくい大きな理由がスラングです。
映画は、時代や国、文化背景もバラバラなので、全てのスラングを理解するのは不可能に近いです。
諦めて日本語翻訳のついた映画を見るか、自分の時代、国の感覚に近い映画を選んで「聞き取りやすい映画」を見つけるのもひとつのコツです。
映画に限らずリスニングを上達するコツは「自分で発音すること」
ここまで映画のセリフを聞き取れない原因を書いてきましたが、それでも僕は昔よりも映画のセリフを聞き取れるようになってきました。
聞き取れるようになった理由は「とにかく自分の声に出して発音した」からです。
英語リスニングの原則として「自分で発音できない音声は、聞き取ることができない」というものがあります。
逆に言うと、どんな複雑なリエゾンがあっても、自分が発音できれば聞き取れる可能性も生まれてくるという意味です。
映画音声や日常会話を、シャドーイングしながら何度も何度も口に出して発音することで、リエゾンを自分のものにして、耳からも意味がとれるようになってきました。
スラングの克服はなかなか難しいですが、リエゾンをマスターするだけで、映画の中の10分の1くらいは聞き取れるようになりました。
(それでも10分の1かい!)
個人的には、洋画のセリフを聞き取ることにそれほど大きな意味があるとは思いません。
普通に、翻訳バージョンを楽しめばいいと思ってるので。
ただ、ふと映画を見ていて「今の言葉は◯◯だ!」と聞き取れた時の嬉しさは大きいです。
そのときは、毎回嬉しくてそのセリフを口の中で繰り返してしまうくらいです。
ということで、映画のセリフを聞き取れない原因、対策について紹介しました。
もしもっと本気で英語学習に取り組むことを考えているようであれば、コーチング英会話がおすすめです。
比較記事はこちらなので、興味ある方はどうぞ〜。